『唯識』で人が集まるのかなあ・・・。という吉村さんのご心配は杞憂に終わり、大勢の方に集まっていただくことのできた今回。ライヴは後に残らないところがいいんだから・・・。ということで、記録写真などは一切残さなかったのですが、その代わり、当日来られた方に配らせていただいたレジュメをここに公開します。

実際は、この日の為に用意したまっさらのホワイト・ボードが大活躍で、ここに書かれているのは、ほんとに「叩き台」です。

亭主の私の解釈によると、一番のポイントは、「『識』ということばに最も近い日本語は「こころ」だけれども、唯識は、西洋的な「唯心論」とは異なり、個々人の小さな狭い心に焦点を当てるのではなく、「色即是空」とくれば、「空即是色」と必ず補完して、個々人の小さな「こころ」 が大宇宙と繋がっている・・ということを認識するように導くものである」ということだったと思います。

唯識についての、ご感想、ご意見は、『唯識BBS』まで!

パイロット・ヴァージョンということで、吉村さんのトークが中心だった今回ですが、次回からは、より深く、「唯識」を肴に色々な事を語り合える場に・・ということで、『唯識Cafe』として、3回シリーズのワークショップを、5・6・7月に月一でおおくりすることになりました。

詳しくは、唯識Cafeの告知をご覧ください。

Events at La Neige 唯識を学ぶシリーズ#0

吉村さんより一言。

唯識は、一般に仏教の深層心理学ともいわれています。 嬉しくなったり悩んだり、様々に変化する「こころ」の構造について 理解を深め、カラッとさっぱりした気持ちになろう、という思想です。 「こころ」の問題に興味をおもちの方にお勧めです。

La Neige 唯識を学ぶ Series#0

Live Talk featuring 吉村誠

昨年より再始動成ったラ・ネージュの21世紀最初のイベントは、「唯識」のライブ・トークです。

10数年前、私が興味を持っていたことを聞いた、月参りに来てくださるお坊さんが、「そういうことに興味があれば、「唯識」でも勉強すれば?」と、言ってくださり、その言葉に興味を持ちました。

その直後に東京に行くことがあり、学生時代の女友達と会う約束をしていました。待ち合わせの場所に見知らぬ男性を連れて現れた彼女は、「今日、急な仕事が入ったので、代わりにこの人を連れてきたの。」と、その場を去り、そこに残されたのが吉村さんでした。いきなり、夕食を共にすることになり、何かの話から、吉村さんが唯識を専攻されていると知った時には、「!!」でした。

その時に、ところで、「唯識って・・・?」と、聞く私に、吉村さんは、「例えば、世界には無数の国がありますよね。でも、自分の知っている国は限られている。そして、自分にとって、知らない国は無いのと同じなんですよ。」と、言ってくださり、私は妙に納得してしまったのでした。

その後、私の「唯識」に関しての理解は、それ以上深まることもなく、でも、自分なりに勝手に、「識が拡がった方が、人生楽しいし、色々なことの真価を認められるようになって、偏見もなくなるし、いいんちゃう?」と考え、それがラ・ネージュでの一見無節操に見えるイベントの隠しテーマにもなっています。

なので、ラ・ネージュを設立した時から、吉村さん、東京だけど・・この講座はいつかお願いしたい!!と、思い続けていました。私がようやく動けるようになり、当時学生でいらした吉村さんもその道をどんどん深められ、ついにこの日がやって来ました。

何分、亭主の私の「唯識」に対する認識がこの程度なのと、吉村さんはいつも私が感覚でもやもや〜と思っていることを、的確に判りやすい言葉にしてくださる方なので、決して「聴いても訳がわからない。」ようなことにはならないはずです。

ちょっとでも、ラ・ネージュでの企画なのだから、面白そう。と、思っていただければ、是非ご参加ください。連休の中日なのは子持ち主婦主催なので、ゴメンナサイ。どうしても第2、第4土日になりがちです。

それでは、お会いできることを楽しみにしつつ・・。

ラ・ネージュ亭主 四方有紀 拝

 

 

日時:2001年2月11日(日)14:00〜

場所:ラ・ネージュ 075-622-5770

定員:30名(電話、ファックス、または、e-mailで、お名前、ご住所、電話番号を明記の上、ご予約ください。) 

料金:無料(今後の展開ex.シリーズ物の講演、連続ワークショップ、年1回の講座・・・を一緒に考えていただければと思います。)

プログラム:

@唯識の概説に関しての講義

A亭主との問答

Bフリートーク

となる予定です。

吉村 誠 プロフィール

1969年生れ。早稲田大学大学院文学研究科(東洋哲学専攻)修了。 現在、早稲田大学文学部講師。唯識仏教が東アジアに伝播していく 過程について、玄奘三蔵の事蹟を中心に研究する。近年の論文に、 「玄奘の大乗観と三転法輪説」『東洋の思想と宗教』16(1999年) 「唯識学派における「一乗」の観念について」『印度学仏教学研究』48-2(2000年) 「唐初期における五姓各別説について」『仏教における善と悪』(2000年) がある。